10年後のIT社会インフラのキーワードは、Wikiとクラウド・コンピューティング、メタバース。カギになるのはメタデータ

murakyut2008-08-16

現在は、ITのビジネスモデルの核がOSからWebに移行する10〜20年に一度の大きな変革点にあると見ている。言い換えれば、Microsoft型からGoogle型ビジネスモデルへ移行点ということになる。

10年後のIT社会インフラのキーワードは、1)Wikiと 2)クラウド・コンピューティング、3)メタバースだと思っている。Web上にバラバラに分散したコンテンツ情報や個人情報を特定するするカギとなるものがIDタグ=メタデータと考えている。そこで、それぞれのキーワードの中身を整理してみる。

1. Wikiとは・・・
複数人が共同してWebブラウザから簡単にWebページの発行・編集などが行なえ、閲覧者が簡単にページを修正したり、新しいページを追加したりできるWebコンテンツ管理システムのこと。
電子掲示板(BBS)は、一方的な情報発信を時系列で積み重ねるコミュニケーションツールであるのに対し、Wikiは、誰もが記事内容の編集・削除が自由にできるコラボレーションツールと言える。

2. クラウドコンピューティングとは・・・
前回も書いたが、雲(インターネット)の向こう配置された数千・数万というコンピュータリソースを、ユーザーがその所在を意識することなく情報サービスやアプリケーションサービスを利用できる大規模な分散システム環境を指す。

3. メタバース(Metaverse)とは・・・
オンライン上に存在する3D空間のことで、「meta=超越」と「universe=宇宙、世界」を組み合わせた造語だ。メタバースオープンソースを利用して、アバターの変更やアイテムの制作が自由に行える。米リンデン・ラボが運営する「Second Life」に代表されるように、仮想空間内に土地を所有してアイテムの売買ができるなど「疑似的な生活」を楽しむことができる。運営者によって一定のルールは決まっているが、一般的な3Dオンラインゲームなどに比べてシナリオ上の制約がなく自由度が高い。
最近では、ココアの「meet-me」、スプリュームの「splume」、ダレットの「ダレットワールド」など日本人の嗜好に合わせたサービスも提供されている。2008年7月には日本初のメタバース規格を発信していくための業界団体「メタバース協会」が設立されている。

メタデータがバラバラに分散して浮遊するデータを有機的に繋ぐ有力なソリューション・タグに
来るべき新しい時間軸と情報共有空間がマネージされるクラウドコンピューティングの世界では、雲(インターネット)の中にコンテンツ情報がバラバラに分散して浮遊することになる。こうした浮遊コンテンツやオブジェクトを意味に基づいて有機的に繋げるための有力なソリューション・タグがメタデータになると考えられる。

既に、ウェブページのテキスト解析とページ間のリンク解析に基づく検索技術は主流技術として定着している。メラデータは、テキスト解析やリンク解析では解決できない意味の情報統合の機能として、検索技術と並ぶ次世代ウェブ技術になると考えられる。
メタデータとは、データを探すのに必要な属性情報を記述したデータのことを言い、他には存在しないユニーク性を持つID(IPアドレスのようなもの)とは異なる。膨大なデータの山の中から目的のデータや自分の分身を自動的に意味的に関連付けて探し出す手助けととなる。
インターネット上にある膨大な情報は、検索技術では単純なキーワード検索しかできないため、壮大なゴミの山と称されることもある。しかしながら、個々の情報にメタデータにより意味的に繋げることにより、情報の編集や要約などが自動的に統合できるのみならず、利用者端末やディスプレイの大きさなどのメタデータを用いて利用者の情報接触環境(携帯電話、PC、TV)への自動使い分け配信も可能となる。http://www.ieice.org/cs/cs/jpn/csws/paper16/1_3_Kishigami.pdf

10年後のIT社会は、Wikiによりそれぞれの情報が自己増殖的に関連付けられたメタバースと呼ばれる新しい3D空間が第二の社会空間となり、そこではクラウドコンピューティング技術により、単なる検索機能を超えて、自らの秘書か分身がロボットとなって自分の代わりに働いてくれる時代になるのではないかと思っている。
これは、単なる妄想で終わるのか現実の世界となるのか・・・

Googleストリートビューを使ったブログが早速登場!!
Googleストリートビューのようにリアルの日常空間が雲(インターネット)の中で再現され、Wikiによる関連付けが、いいか悪いかという価値判断を別として現実に始まっている。
次のストリートビューを使ったブログを見て欲しい。
http://street-view.blog.so-net.ne.jp/
こうした世界が思った以上に早く実現するのではないかと思ってしまうのは僕だけだろうか・・・

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