酒の肴に某メディア業界関係者と某携帯電話会社の方々と語り合った

1月17日のエントリーを酒の肴に出したところ次世代メディアプラットフォームが携帯でもPCでもテレビでもゲーム機でも何であれ、単純明快かどうか、メッセージが伝わるかどうか、が焦点になった。

それと同時並行して、携帯電話業界に詳しいBatayan3さんのエントリーを見て、次世代マーケティングプラットフォームに関するコメントもいただいた。湯川鶴章氏の「次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」という共通の本を読んでの感想のやり取りだ。
《Batayan3さんのログの引用》

マスメディアが出現した理由は、大きく言って2つあるのではないかと思う。一つは、一人の人間が収集できる情報の限界があるために、組織的網羅的に情報を集約する機関を必要としたこと。もう一つは、一個人として集まった情報の正確性を確かめる手段が限られ、また得ている情報の解釈(情報処理)をしきれないために、正確性や情報の解釈基準を必要としたこと。

この2つが理由なのだとしたら、Twitterのような新しいテクノロジーを使ったメディアが正当に進化していくと、マスメディアの存在理由がなくなるとまでは言わないまでも、存在意義が薄れていくことは確かだろう。

確かに現状はそう解釈できるかも知れないが、冷静に考えてみれば、テレビが誕生したのは50年前、新聞は100年前、その前は、書物と伝承しか情報伝達手段がなかった訳だから、テレビや新聞などのマスメディアが、組織的網羅的に情報を集約する機関(ビジネスモデル)や情報の解釈(情報処理)をしきれないための正確性や情報の解釈基準を作ったのではないかと思う。
テレビや新聞は必ずしも正確な報道がなされている訳ではなく、中立性を標榜する記者というプロフェッショナルが正確を期して書いているに過ぎず、社説や論調、取り上げる記事内容にはマスコミ会社の偏重が多かれ少なかれ存在し、公正かどうかは視聴者や読者の判断に委ねられているにすぎない。

世界のメディア・ジャーナリズム関係者の間で未だに、マーシャル・マクルーハンの「メディアはメッセージである」というマクルーハンのメディア論が信奉されている。

《Batayan3さんのログの引用》

地震時のTwitterの書き込みのように、まだまだムラはあり、また言語の問題はあるものの、速報性が十分に担保された情報を、一個人が手軽に収集できる技術的な環境は得られるようになっている。これは、上記のマスメディアの出現理由の一つ目を満たすものになる。

また、多数の情報が集まることによって正確性が担保されるというWikipedia的な楽観論に立脚するなら、Twitter的な情報のソースを、類似の情報を自動的に整理集約するGoogleニュースのような仕組みを使って整理することで、個人の手元に集められた情報が正確でかつ解釈を容易にするような形で整理される、ということも技術的には期待できるところに近づいていて、これはマスメディア出現理由の二つ目を満たす可能性があるだろう。

確かにそうだと思います。携帯電話を含むモバイルネットデバイスが大きな役割を占めるであろうことは、ほぼ間違いがないのもその通りだと思います。これまでのメディア論では説明しきれない新しいメディアの1つになる可能性が高いと思います。

《Batayan3さんのログの引用》

Twitterは数年前から主にPCで使われてきたものだが、iPhoneやケータイなどのモバイル機器から利用できるようになった、ということは、メディア論的には本質的な変化であると思う。つまり、人が叫び、その叫びを聴く、というようなリアルタイムの反応を、モバイルのTwitterが可能にしたからだ。

いやぁ、これは凄いことですね。
そこで、こうしたモバイルTwitterを、商品を売るための「マーケティング・ツールとしての次世代プラットフォーム」という視点からではなく、「大衆にメッセージを伝えられるメディア」かどうかというメディア論の視点に立つならば、TwitterやブログなどのP2P型ネットワークメディアが、本当に大衆にメッセージを伝えられるメディアになるのかどうか、はたして現在のTwitterやブログなどの仕組みだけでいいのかどうかという点がポイントになると思います。

それから、もう一点。1月17日のエントリーをネタに話をした際、無線LANとかFTTHとかブロードバンドに繋がるのはいいけど、Wii無線LAN接続率は5%程度だそうで、やっぱり電気コンセントに差し込めば、知らないうちに世界のネットワークに繋がっているように単純明快なシステムじゃないと普及しないよね〜という話で盛り上がりました。

やはりWiiやDSのような優れたコンピュータの中身を持ちながら、操作とUIは単純にすることにインフラメーカーの技術者の方が労力を掛けてもらわないと困るんだよね、というのが締めくくりだったような気がします。

改めて、提言したいです。iPhoneに対抗するコンシェルジェ的次世代携帯プラットフォームを開発するためには、メディア業界の方と携帯電話事業者の方の技術・実務レベルでの刷り合わせ連携が一層必要。一緒にAndoridに対抗するようなソフトウェアの作りこみする位の気概が必要。携帯通信キャリアが作ったimodeやezwebのプラットフォームのコンテンツや広告を乗せてくださいという次代は終わった!!

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