AmazonがiPhoneより薄い電子書籍リーダー「Kindle 2」を発表した

murakyut2009-02-10


Amazon.comは2月9日、電子書籍リーダーの第2弾となる「Amazon Kindle 2」を発表した。同日から予約を受け付け、24日に出荷開始し、価格は前モデルと同じ359ドルとのこと。
但し、厚みは前モデルより薄く、iPhoneより薄い0.91センチになり、重量も前モデルよりわずかに軽く289グラム。しかも、ページをめくるためのボタンが両サイドに配置されたことで片手での読書が容易になり、メモリ容量は2Gバイトで、書籍1500冊以上を本体に保存でき、更に、バッテリー持続時間は20%以上延長され、ワイヤレス接続の待ち受けにした状態で4〜5日間、ワイヤレスをオフにした状態での読書なら2週間以上が可能になるという。
また、Kindle 2は、書籍のテキストを音声にして読み上げる「Text-to-Speech」機能が付いており、ページを読み終わると自動的にページがめくられるという優れもの。

いや、これは凄い!このニュースを見たとたん、紙の本がこの世の中から無くなるのではないかと直感的に思ってしまった。

2月3日のエントリーでも書いたが、2008年度第四半期(10〜12月期)の増収増益要因として第一世代のKindleの売上増が貢献している模様なので、今後更に業績貢献役となるだろう。
ただ、驚くべきなのは、Amazon.comは、ユーティリティ・コンピューティング・サービスを提供する世界でも有力なクラウド・コンピューティングのサービス・ベンダーであるため、書籍内容のコンテンツ・データもすべてAmazonクラウドの中に取り込まれてしまことだ。すなわち「著者→出版社→印刷→取次ぎ→書店での販売→読者」というバリューチェーンのうち、「印刷→取次ぎ→書店での販売」というチャンネルがなくなってしまう訳だ。
本格的にKindleが普及すると、世の中から紙の本と、書店が消えてしまいかねない。しかも印刷代、中間流通コストがなくなる分、購読料金も格段に安くなるのだろう。

翻って、日本の出版業界は、未だに出版社と書店の間の取り次ぎを通じた、委託販売制(出版社への返品自由)と再販売価格制(定価販売制)という旧態依然とした書籍流通制度が残っており、中小零細の書店の経営を守っている。
日本でもし、Kindleが販売されるとすると、こうした旧態依然とした書籍流通制度を壊すことになり、既存の書店業界からの反発が予想される。いや、もう既に日本の書店経営は存亡の崖っぷちに立たされているのかもしれない。既に書店業界からの反発で日本ではKindleの販売が拒まれているのかもしれない。大波は目の前に迫っている。
いずれにせよ、「Amazon Kindle 2」の発売は既存の紙媒体流通を覆す革命的な出来事だと思う。

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