Androidの現状 〜DOS/V登場前夜に似てきたようだ 

昨日、林信行さんが主宰する六本木アカデミーヒルズのメンバーコミュニティ、iPhoneAndroidトレンド研究に参加してきた。同じ勉強会に参加していたINOCCUさんこと井上研一さんが、さっそくブログにまとめていたので引用させてもらいながら、印象を書いてみる。

講演にせよ、ディスカッションにせよ、話があっちこっちに飛んでしまっていたのですが、まぁ、それがAndroidの現状なのかなという印象を受けました。まだ、Androidの中の何かというテーマが絞れる状況ではなくて、Androidというキーワードが出てきそうな話を集めている段階。

まさに、同感だった。上がっていたAndroid端末の例も、組み込みソフトとしてAndroidを使ったNTT東日本のフォトフレームや、KDDISTBAndroid体重計など様々。参加していた開発者の方々も、とりあえずAndroidがどんなものか知るためにアプリケーションを試作してみたといった状況だ。まだまだAndroidの技術資産が蓄積されていない状況がよく分った。

自由度満載のAndroid
AndroidAppleのiTuneと異なり、Androidで開発されたアプリケーションについてGoogleは全く管理しない。Androidの機能面の話としては、Android1.6だと、Google Checkoutの機能が付いているとか、位置情報を示すGoogle Latititudeの機能が付いているとか、そもそもAndroidではアプリケーション開発者は自国通貨建てで世界のユーザーに販売可能だなどが紹介された。まさに自由度満載ということなのだろう。

林信行さんは、Androidでケータイを作るのなら、中国のChina Mobileが作ったO-Phoneくらいカスタマイズしきらないとダメではないかと言っていた。
どういうことかというと、現在、ドコモが出しているHT-03Aは素のAndroidが載っているだけなので、アプリケーションの購入環境もまったく開発進行途上にあるプラットフォームそのままなので、管理ツールも整備されていなければ、アプリケーションによっては電話帳が勝手に盗まれてしまうリスクを持つものがあったりする状況だからだ。

O-Phoneは、AndroidiPhoneそっくりなユーザインタフェースが作られているうえ、中国政府の監視もあり、検索ソフトも独自の仕様が搭載されておりGoogle携帯のイメージからかけ離れた、中国独自仕様になっている。
要すれば、ビジネスモデルを含めて如何様にでもカスタマイズできるところがAndroid端末の魅力なのだろう。Androidの自由度の高さ、開発の柔軟性を改めて感じるとともに、既存の携帯端末メーカーの現状に更なる危機感を感じた。

携帯端末業界はAndroidの登場でDOS/V登場前夜に似ている
現在、世界のAndroid携帯端末の販売は、台湾HTCや韓国サムスン電子が世界中でAndroid端末を販売し始めているが、それに続いて続々と大手メーカーがAndroid端末への参入を表明している。米モトローラが10月28日に米国ベライゾン経由で端末を販売すると発表。11月3日にはソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズがAndroid端末を世界中で発売すると発表した。さらに、デルも中国でAndroid端末を投入している。
携帯電話端末はオープン・プラットフォームに向かっており、Androidはかつての“PC AT互換機”になりそう状況になってきたと思われる。
PC-9801がPC AT互換機に押し切られたように、Android端末開発の安さと幅広いユーザー層に支えられて作り上げられた多様なサービスの魅力によってガラパゴスの代表に挙げられてきた日本固有の携帯電話が消されてしまうことになるだろう。そうなる前に、日本の携帯電話メーカーは、Androidで独自のビジネスモデルを設計し、自由度の高い端末設計で先行戦略に打って出る必要があるのではないだろうか?