Googleも消滅する2030年のメディアのかたち

クラウド時代に求められる高度な情報処理リテラシー情報洪水の中で迷子にならないためには、情報の出し手と受け手の双方にクラウド時代にあった高度な情報処理リテラシーが求められると改めて思った。9月25日に30年近くに渡ってジャーナリズムの視点からデジ…

政権交代後の情報通信政策の行方 〜変化する解決すべき本質的課題

総務省は6月にICTビジョン懇談会報告書をまとめ、2015年に向けてのスマート・ユビキタス戦略を打ち出している。具体的な施策として次の5つの施策を掲げて旧政権下で取組みを開始してきた。旧・郵政省時代からの規制政策の立案からICT産業全般の国際競争力…

ソフトウェア企業の競争戦略 〜戦略的アーキテクトのために

日本は米国に次ぐ世界第二位のソフトウェア生産国であるにも関わらず、ゲームソフトを除くと海外に輸出されるソフトウェア製品は皆無に等しい。日本のIT企業ではゼネコン的なシステムインテグレーターは多数存在してもグローバルベースでビジネスとしてのソ…

Twitterの威力〜双方向な情報マーケティング・ツールとしては強力な手段

ここしばらく忙しくてブログを書いていなかった。Twitterでは色々つぶやいていたのだが、こちらに時間が取られてしまった感がなくもない。で、その断片を掲載し、改めてTwitterの威力を整理してみた。 (呟きの詳細はこちらhttp://twitter.com/murakyut)Twi…

閉塞感を打ち破るには 〜小沢一郎「日本改造計画」の実現化??

役人も責任とらないし大企業も役人と化し責任とらない。だから誰も気付かないまま衰退の道をまっしぐら・・・なんていう今の日本の閉塞感についてのやりとりがTwitterであった。日本の活力ある再生について考えてみた。 そんな中で、いよいよ衆議院選挙を明…

WISH2009の感想とWISH2010に向けての要望

21日金曜日の晩、WISH2009というITベンチャーのビジネスアイデア発表のイベントが九段下であり参加してきた。 少し色々思うところがあったので、感想をまとめておく。 WISH2009は、ウェブの未来に焦点を当てているが、通信・コンピューティング・従来型の製…

キャズムを如何に越えるか? 〜ジェフリー・ムーアに学ぶ

前回、MOTによるプロダクト・イノベーションへの手がかりを整理してみた。それは、私が、これまで何回か主張してきた、技術立国日本がやるべき「理論」「システム」「ソフトウェア」が三位一体となったソフトウェア技術の確立のための方法論を整理するた…

MOTによるプロダクト・イノベーションへの手掛かりを整理してみる〜どうすれば日本の電子情報産業が復活するか?

いよいよパラダイム・シフトに向けたプロダクト・イノベーション待ったなし クラウドコンピューティングもいよいよ本格的な事業化のフェーズに入ってきたと思う。 因みに、クラウド・コンピューティングとは、これまでのクライアント・サーバー型コンピュー…

間違ったベンチャー企業支援 〜官製VCと技術ベンチャー育成が機能しない理由

この8月中には、官製ベンチャーキャピタル「株式会社産業革新機構」が設立され本格稼動するという。これは、2006年の4月に国会で承認された改正産業再生法の中に盛り込まれた施策のひとつで、政府出資により設立され、経済産業省がロードマップおよびスキー…

オープンソース化は市場を取るための一戦略手段に過ぎず、自己の技術のデファクト化のための手段

去年の8月来、クラウドコンピューティング化の動きに伴うオープンソース化やガラパゴス化する日本製造業のソフトウェア化はイノベーションの活性化をもたらすのではないかという文脈でのブログを書いてきた。が5月末以来暫く筆を止めていた。 暫くこのブロ…

Android携帯発売の意義 〜経験価値経済への移行のカンフル剤になるか?

2009年5月19日、GoogleのAndroid携帯電話がNTTドコモから日本で発売されると発表された。 私が、10年先のICT産業の姿を追いかけようとして2008年8月1日にこのブログを書き始めた切っ掛けは、2008年7月11日のiPhoneの発売だった。その8ヶ月前の2007年11月にG…

ユーザー参加型製品開発が大量生産ビジネスを変える(その2)

3月20日付けのエントリー「ユーザー参加型製品開発が大量生産ビジネスを変える」で、2020年頃には、オープンソース化したハードウェアや開発支援ツールが製品開発のエンジンとなり、数台単位の超小ロット生産やユーザーの手元で作るパーソナルファブリケーシ…

ウェブを変える10の破壊的トレンド

創造的破壊、私が好きな言葉だ。この言葉について久々に頭の中を覚醒してくれた本が渡辺弘美著「ウェブを変える10の破壊的トレンド」。既に概略は知っていることが多かったが、押さえておくべき先端技術トレンドを気持ちを高ぶらせながら頭の中に整理してく…

日本の電子情報産業のガラパゴス化からの脱皮を考える(その2)

昨日のエントリーで新興国対応とソフトウェア化への対応が日本経済の構造的な課題だと書いた。クラウド・コンピューティングの進展はグローバル・ネットワーク経済化とシステムのオープン化を急速に促す。こうした中でガラパゴス化してしまった日本の電子情…

金融・経済の不況の嵐の最悪期は脱したようだが、今後長期的なソフトウェア化の嵐にどう対処するか?

4月は新年度入りで何かと忙しくてブログを書く時間も少なく、気がついたらGWに入っていた感じだ。どうやら3月までに金融・経済の不況の嵐の最悪期は脱したようだ 4月30日の3月の鉱工業生産指数は前月比+1.6%増と6ヶ月ぶりに前月比改善と報じられた。…

フラット化やオープン化は今の日本人にとって本当の外圧的な脅威か?

歴史小説家の司馬遼太郎のエッセイに「この国のかたち」という本がある。私は司馬遼太郎が好きなのだが、久々にこの本を手に取って見た。話は少しそれるが、少し前に、榊原英資氏がいう次のようなコメントを引用させてもらった。 「米国を見習い、これを追い…

App Storeのダウンロード数が10億件に達した

Apple社は、4月24日で、iPhone/iPod touch用アプリケーションを配布・販売するサイトApp Storeからのダウンロード本数が10億本に達したことを発表した。App Storeは、2008年7月の「iPhone 3G」発売と同時に開設されていることから、9カ月でアプリケーション…

ベンチャー事業成功の条件 〜起業の条件を考える

経済の活力の源は、個々の企業家の創造性とバタリティだと思う。大企業は知らず知らずのうちにコングロマリット・ディスカウントに陥っていて、社内調整に莫大なエレルギーを取られてしまう。そのためバイタリティがそぎ落とされたり、何が創造性の原点なの…

2009年度の金融市場情勢:桜散る〜株式相場も一服か・・・?

久々に金融ネタを少し。4月16日の日経平均株価は日中9030円の高値を付けたが引け値は8755円で9000円の壁は厚いようだ。私が信頼している春山昇華さんのブログ「おかねのこねた」の4月15日付けのエントリー「投資判断:日本株売却」が目に飛び込んできた。日…

セカイカメラが作り出すビジネスフロンティア

AR(拡張現実)を実用化レベルまで進めた意義 少し情報としては古くなるけども、頓知・(Tonchidot)が開発した「セカイカメラ」は、AR(拡張現実:augmented reality)を実用化レベルまで進めたということ以上に、カメラと携帯の境目をなくし、携帯端末だけ…

オープンソースのAPI公開が知的創造とITベンチャーの活性化を促している

イネブラー型ベンチャーの活発なオープンソース化の動き OpenPNEという株式会社手嶋屋がオープンソース方式で開発を行ってきたSNSエンジンをご存知だろうか。OpenPNE はPCとモバイルのハイブリッドなプラットフォームに、豊富なSNS機能を搭載し、多様なサー…

デジタルとアナログの対話 〜デジタルネイティブが求めるもの

今回は、これまでのエントリー内や別途メールで読者の方々から新たに提供していただいた情報やコメントを整理してインプリケーションをまとめてみようと思う。特にfutureeyeさんからは有益な情報提供やコメントをいただき感謝したい。こういう情報連携ができ…

ユーザー参加型製品開発が大量生産ビジネスを変える

3月23日付の日経エレクトロニクスで「ユーザー参加の開発が大量生産ビジネスに変革を迫る」という特集が気になったので思うところを書いてみる。ガラパゴス化する製造業を脱するためには、今後、企画、開発、製造のすべての段階でオープンな環境の構築が不可…

ネットにおけるブランディングを考える 〜ネット広告放送の普及を展望して

インターネットのブランド広告ネットワークのグラムメディア社の今後の成長に期待が高まっている。3月10日に、インターネット広告での世界最大の女性向け広告メディア・ネットワークの米国グラムメディアの日本法人・グラムメディア・ジャパンが動画広告サ…

 P2P(Peer to Peer)型ネットワークについて考えてみた

かつてWinnyなど違法なファイル交換ソフトのゲリラ的な流布により社会的問題化したP2Pネットワーク技術が、セキュアな完成度の高いネットワーク技術に進化して再び注目を集めている。 ネットから簡単にダウンロードできる無料のP2Pソフト「KeyHoleTV」を使っ…

景気の急速な悪化と経済界の認識不足 〜米国時代の終焉

米国政府は、2月27日に最大の金融機関シティグループの保有優先株を普通株に転換することにより36%の大株主になることを発表し、事実上、米国政府管理下で同金融グループの事業の整理が進められることになった。こうしたことから米国の金融不安が再燃し、米…

ソニーのグループ事業再編発表と旧態依然としたマスコミ論調

ソニーは2009年2月27日、4月1日付でハワード・ストリンガー会長兼CEOが社長を兼務するとともに(中鉢社長は退任し2頭体制に終止符)、電機部門を大きくコンスーマー・プロダクツ・グループ(テレビ、デジタルカメラ)とネットワーク・プロダクツ&サービス…

2020年の広告市場の姿 〜2008年日本の広告費のトレンドから予想する

2月23日、電通より2008年の日本の広告費の統計が発表された。サブプライム危機による年後半の急速な景気悪化で、総広告費は6兆6926億円と前年比▲4.7%の減少になったと言う。 媒体別では、テレビ広告費が1兆9092億円で前年比▲4.4%減少(対総広告費シェアは2…

日本の電子情報産業のガラパゴス化からの脱皮を考えてみる。

これまで、クラウドコンピューティングをテーマに10年後のICT社会を予想することをコンセプトに色々書いてきたが、何故、こうしたテーマに拘ってきたか深い理由がある。これまで日本の技術的な強みが活かされてきた電子情報産業が、Googleに代表される米国発…

「Hot Pepper ミラクル・ストーリー」から分かる儲かるネットビジネスの秘訣

元リクルートのホットペッパー事業部長で同誌を4年で売上高約300億円、営業利益約100億円の事業に育て上げた平尾勇司氏が体験談として書いたリクルート式「楽しい事業」の作り方、Hot Pepper 〜ミラクルストーリーを読んだ。そこから分かった儲かるネットビジ…